【映画】「あそびのレンズ」

本映画は、「地域で子育て」「あそびと育ち」をテーマに冒険遊び場(プレーパーク)が描かれた初めてのフィクション映画です。「冒険遊び場が映画になる?」ということで、冒険遊び場づくりに関わる人たちの関心や期待はマックスであったと思います。私より先に試写を見た人たちの感想には賛否様々ありましたが、それは関心も期待も大き過ぎて、応援したいという気持ちに溢れていたからでしょう。

私自身は本編を映画館で見ましたが、「まるで私が大学院時代にワンオペ子育てしていた頃と一緒じゃないか!」というのが率直な感想。博士論文執筆で徹夜することも多かったあの頃、私はプレーパークという遊び場に出会っていましたが、それは研究対象でしかなく、自分の子どもがそこで遊び育つことはなかったのです。それでもこんな環境が近くにあればと思い、研究者として実践者たちとつながり、信頼できる仲間たちとも出会い、今の自分に繋がっています。自分のことと重ねながら見ると、涙が溢れてきました。私と同じような感想を持つ人も実は多いのがこの映画です。

本映画で最も素晴らしいのは、子ども役の「ふうこちゃん」が遊ぶシーンです。演技ではなく自然に遊ぶ様子がありのまま描かれており、それを捉えるカメラワーク・目線は秀逸です。ほんわかとした音楽と相まって、こんなふうに子どもが遊べる社会って大切だよねと改めて気づかせてくれることでしょう。

本映画は、全国各地で上映されていますが、これは映画館で見るべきです。なぜなら、各地の冒険遊び場づくりや子育て支援などの関係者がこの映画を全力で応援していて、日替わりで上映後のトークショーが繰り広げられるからです。映画はもちろんですが、トークショーも必見です。映画館での上映予定がない地域では、是非、自主上映会を計画してみてはいかがでしょうか?なんやかんや言いながらみんなで見て、楽しんで、応援して欲しいと思います。

(神戸女子大学家政学部教授・IPA日本支部代表・特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会理事  梶木典子)

企画プロデューサー 植田 泰

監督・編集  佐伯 龍蔵
製作 2020年
製作国 日本
製作:ビオキッズ実行委員会
配給:株式会社シナプス
上映時間:91分
リンクURL  https://asobinolens.com/
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