映画「コーダ あいのうた」

この映画は「コーダ」CODA(Children of Deaf Adult:聞こえない親を持つ聞こえる子ども)が主人公の映画です。映画では両親ともが聞こえないのですが、両親のみならずどちらか一方が聞こえない場合も、親がろう者でも難聴者でも、その子どもを指す言葉がコーダです。コーダは1980年代にアメリカで生まれた比較的新しい言葉です。この映画は、幼いころから親と社会の間に立つ通訳としての役割を担い、本来なら親が担うはずの様々な事柄を日常的にこなしてきた「ヤングケアラー」の主人公ルビーが思春期をむかえ自立してゆく物語を描いています。この映画の印象的な点は、ろう者である親にも聴者にも自分のことをなかなか理解してもらえない孤独と悲しみの中から、バイリンガルでバイカルチャー(生まれつき手話とろう文化の中で育っている)である喜びと、自分の居場所をつかみとる過程がみごとに表現されている点です。チャンスがあれば是非ともご覧いただきたい映画です。

(聖徳大学 神谷明宏)

タイトル 「コーダ あいのうた」

原題 Coda(Child of Deaf Adults)

脚本・監督 Sian Heder(シアン・ヘダー)
製作 2021年
製作国 アメリカ・フランス・カナダ合作
配給/発売・販売元 ギャガ

Blu-ray & DVD  \4,180(税込) 9月2日発売
上映時間:112分

リンクURL  https://gaga.ne.jp/coda/

© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS