《目次》
放課後の居場所
《特集》
1:「生活の場」を保障する学童保育の整備課題(小伊藤亜希子)
2:子どもの居場所としての学童保育~けやき児童クラブ~(大谷直史)
3:地域の中に思春期の子ども達の居場所を チャレンジクラブの取組(森賢悟)
4:居場所のリンク集
《世界のこども環境》
5:オーストラリアの学童保育(松本遼子)
《バトンをつなぐ》
6:教育・保育業界に32年携わってきたからこそ思う(坂本喜一郎)
《こどもの目と手》
7:「夏休みはこんな車でお出かけしたいね!!」
《この一枚!》
8:「カイコの餌やり」
《ブック&シネマ》
9:書評『怪物』(聖徳大学 神谷明宏)
《編集室から》
10:編集後記
放課後の居場所
同志社女子大学 塚田 由佳里
こども環境楽2023年夏号の特集テーマは「放課後の居場所」です。子どもが安全・安心して過ごせる居場所が求められています。居場所とは「自分が安心していられる場所」「ありのままを受け入れられる場所」「社会の中で自分の位置を確かめられる場所」を意味し、単に物理的空間を指すのではなく、そこに集う子どもたちや頼れる大人との人間関係を基盤として成立します。従来、学校が終わると子どもたちは、地域空間を遊び場にして異年齢集団の仲間で群れて遊び、独自の子ども世界のなかで育まれてきました。地域の大人や年上から見守られ、時には怒られる経験を得て社会の人間関係や生きる知恵や術を学んできたのです。ところが少子化の進行に加え、都市化に伴う遊び環境の貧困化や子どもの生活が多忙化した今日、異年齢の子どもたちが自然と集まって遊ぶことは難しく、大人が子どもの居場所を用意しなくてはならない時代となりました。今号では、子どもの居場所の代表として、小学生の放課後の居場所である学童保育、さらに高学年から中高生の居場所の取り組みを通して、子ども・若者の居場所について考えてみたいと思います。
2023年度こども環境学会 学会誌編集委員会・編集部会(2023.7.25現在)
部会長(Webマガジン編集長)
- 西本雅人(福井大学)
2023年夏号企画担当
- 塚田 由佳里(同志社女子大学)
- 荒木 寿友(立命館大学)
- 花輪 由樹(金沢大学)
- 村井 尚子(京都女子大学発達教育学部)
- 嶽山 洋志(淡路景観園芸学校・兵庫県立大学)
2023年夏号校閲担当
- 石田 佳織(園庭研究所)
- 愛甲 哲也(北海道大学)
- 松村 弘美(プランニング開)
- 清水 日香里(札幌市立信濃中学校 教諭)
- 岩崎 基次(盛岡大学短期大学部)
部会員
- 田村 光子(植草学園短期大学)
- 伊藤 祐基(大久保わかくさ子ども園)
- 原 寛道(千葉大学)
- 吉永 真理(昭和薬科大学)
- 相澤 考紀(千葉市子どもたちの森公園NPO法人プレイフルエンタープライズわかば)
- 若色 直美(せりがや冒険遊び場)
- 藤田 大輔(福井工業大学)
- 粟原 知子(福井大学)
- 坂口 淳(新潟県立大学)
- 安藤 武司(カムロ)
塚田 由佳里(つかだ ゆかり)
同志社女子大学生活科学部 准教授。専門は住居学・建築計画。子どもの生活環境に関心を持ち、国内外の子どもの居場所を調査し、生活の場としての学童保育施設のあり方や計画方法を研究している。主な著書に『地域のなかで子どもが育つ学童保育〜ヘルシンキ・大阪の放課後〜』(単著・西山夘三記念すまいまちづくり文庫)、『子どもが育つ生活空間をつくる』(共著・かもがわ出版)など。